托  鉢

たくはつ
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鉢を持って町を歩き、食を乞う事を托鉢といいます。
乞食こつじき行乞ぎょうこつなどとも呼ばれます。
禅系統では羅斎ろさいともいいます。

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撮影地はMae Hong Son。
タイ北部。ミャンマーとの国境近くの山間部。2.5キロ四方程度の小さな町。
2009年3月初旬 朝6時頃

 


お経を読む僧侶。左手前には供養する次の人が、履物を脱いで待っています。 

市場の入口など、人の集まる路上に供養品を売る露店が出ています。

販売されている供養品。物価は安く一皿30〜60円位。

インスタントラーメンなどの近代的?セット。


昔ながらに、持参したご飯を直に入れる人もいます。

 インドでは

出家者には、衣食住についての欲望を捨てて修行に励むため、十二頭陀じゅうにずだと呼ばれる規則があり、必要最低限の衣類以外は、持つことを禁じられています。

そこで食を得るために托鉢を行います。托鉢も十二頭陀により、
 貧富の差を選択せず順番に乞う (よりごのみしない)
 1日に1食 (午前中に行う)
 食べ過ぎない(生命を維持するのに必要なだけにとどめる)
 中食ちゅうじき以後は飲物を飲まない。
などが定められています。

修行者が鉢を持って歩き、在家の人に食を乞うことは、仏教特有のものではなく、他の宗教でも行われます。

 頭陀袋ずだぶくろ

托鉢を頭陀ということもあり、施されたものを物を入れる袋を頭陀袋といいます。鉢は容量1〜2リットル程度で、いっぱいになると頭陀袋に移します。

頭陀はサンスクリット語で、ふるい落とす、はらい除く、の意味から、煩悩をふるい落とす。衣食住についての欲望を払い落として、清らかに仏道の修行に励むことを言います。

これになぞらえて、納棺の時、死出の旅に供する意味で、死者の首に頭陀袋を掛けることもあります。

 日本では

行としての托鉢は、主に禅系統の宗派で行われます。食事のために鉢を持って僧堂に行くことも、托鉢といいます。その他の宗派では、慈善事業などデモンストレーション的な活動として行われることが多いようです。

形態としては、家ごとに門前でお経を読んだりして喜捨を乞う軒鉢けんぱつと、歩きながら鈴を振るなどして、托鉢に来たことを知らせ、呼び止められたとき供養を受ける連鉢れんぱつとがあります。

 タイでは

夜明けとともに始まります。形式は連鉢です。供養する人は僧侶が近づくと、まず履物をぬぎます。供養品を渡し、合掌してひざまずきます。僧侶は10数秒程度のお経を唱え、去ってゆきます。

供養品は、自分で用意する人もいますが、露店で販売されている物を利用する人もかなりいます。僧侶が重なって来たときは、販売している人が、供養品の補給係となって手伝ってくれます。支払いは、一段落したところで、使った分だけ払います。

販売されている供養品は、水とご飯、それに大豆や、揚げ物、バナナなどが添えられています。中にはインスタントラーメンと真空パックのクッキー、という組み合わせもあります。時代の流れでしょうか。

逆に、ご飯を直に鉢に入れる、昔ながらの人もいます。また、まれですが、お金を喜捨する人もいます。

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