大 蔵 経

だいぞうきょう
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今日ではコンピュータのおかげて、簡単に印刷物を作れますが、日本にお経が伝えられた頃はたいへんな作業でした。複製を作るには書き写すことが主流で、よく使われるお経は何度も印刷出版されていましたが、大蔵経全部の出版はなかなか実現しませんでした。

1624年、徳川幕府の援助で木製の活字を使って、約30年近くかかり天海上人がはじめて大蔵経すべてを完成させました。一巻分ずつ組版し、印刷が終了すると解版して次を組むといった方法です。活字は交換できるので仕上がりはきれいでしたが、部数が少なく数十部程しか作られませんでした。

左の写真のお経 は近年その活字を使って印刷した 般若心経 の一部です。(原寸)

また、ほぼ同時期に鉄眼禅師も17年かかり大蔵経を完成させています。こちらは全国から浄財を集め作られたものです。印刷方法は一枚の板に彫刻する手法がとられました。手軽に印刷ができるため発行部数も多く、現在でも時々使われているようです。版木の数は60,000枚にもおよび、册数は全6,956巻、2千数百册になります。この版木は京都府宇治市の萬福寺に所蔵されています。

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