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■道祖神は不思議な神様です。形は自然石から、性器をアレンジしたもの、男女が仲良く手をつないだ姿、肩を組んでいる姿、抱き合った姿、笏 しゃく と扇を持っているタイプ、まれに一人の場合もあります。いずれにしても地方色や個性の強い形が多く、そして道端にまつられています。 |
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ご利益は、道祖神の名のとおり、道を守る=道中安全、村や町に邪気や悪霊が入るのを防ぐ、男女一対の形から、夫婦円満、子孫繁栄、縁結びなど、ご利益は多彩です。ときには道祖神が悪霊だと考えられる例もあります。 名前も、祖神、行神、路神、道神、勝軍神、遮軍神、守公神、塞神、幸神、岐神、石神、船戸神、障神、衢神くしん、八衢神やちまたのかみ、道俣神など多くの呼び名があります。ただし厳密に言うと、名前によっては道祖神そのものではなく、同系の別の神様を指すようです。 道の神様としての道祖神は中国にその原型があり、旅好きの人が神格化したようです。それに日本の神話の同じような雰囲気を持った部分が結びつき、日本独自の道祖神が生まれました。 日本の神様は、ある範囲の土地を守るために祀られ始める事が多く、自分たちの領域を守る=侵入者を防ぐことは、農耕社会ならば害虫から作物を守ることになり、それは豊作へとつながります。 境界線は物理的な事だけではなく、生死の境目もあり、生は性器へ、そして子孫繁栄に、作物の子孫繁栄は豊作そのものにつながります。
日本を作ったとされる伊邪那岐命いざなぎのみことと伊邪那美命いざなみのみことのその後談です。 伊邪那岐命が死んだ妻に会いたくて黄泉国よみのくにへ行きます。 「まだ国作りは終わっていないので、現世に戻ろう」と誘います。妻は「帰れるかどうか黄泉の神と相談してみます。ここで待っていて下さい。私が戻るまで決して中には入らないように」と言い残し奥へ消えていきます。 約束はしたものの伊邪那岐命は待ちくたびれ、中へ入り変わり果てた妻の姿を見てしまいます。その姿は世にもおぞましい姿でした。 驚いた伊邪那岐命は逃げ出します。妻は怒り、黄泉国の軍隊を引きつれ追ってきます。伊邪那岐命は追っ手を止めるため、黄泉国とこの世の境に大きな石でバリケードを作り、杖を投げつけます。 この石は塞神と呼ばれ、杖は岐神ふなどのかみ、道陸神どうろくじんなどと呼ばれます。 また、岐神=猿田毘古神さるたひこのかみとする説もあり、男女二人のタイプの道祖神は日本で初の国際結婚したことになっている、この猿田毘古神と天宇受売命あめのうずめのみことと言われています。 |
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