梅花心易

究極の易 ばいかしんえき
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易は通常50本の筮竹を使って占いますが、梅花心易はいっさい道具を使いません。占おうとした時の周辺の様子から、手がかりを得て占います。中国の邵康節しょうこうせつ1011〜1077が完成させたと言われています。

日付、年齢、物の数などから計算をして答えを導きます。
例えば日付からならば、2000年1月2日3時を例に取ると、(2000+1+2)/8の余り3と、(2000+1+2+3)/8の余り6、(2000+1+2+3)/6の余り2、から易の答えを得ます。この場合は火地晋の二爻変となります。解釈はまず五行から全体の吉凶の判断します。それから細部の検討に進みます。五行易と周易を兼ねそろえた占い方です。

梅花心易には、こんな逸話があります。

ある日ネズミがうるさいので陶製の枕を投げつけました。割れた枕の破片をよく見ると「卯年4月14日、巳の時にネズミを見て破れる」と書かれていました。

この予言の不思議さに引かれ、邵康節は枕を作った工場に行きます。すると、むかし周易の本を持った老人が来て、しばらく休んでいったことがあるので、おそらくその老人のしたことでしょう、と老人の住まいを教えられます。

老人を訪ねてみると、すでに亡くなっていました。しかし「いずれ賢者が訪ねて来るだろう。その時にこの本を・・・」との遺言を伝えられ、易の本を手に入れます。そして、この本を元に研究を重ね、完成した易が梅花心易と伝えられています。

梅花心易の名前は、”梅を観ていた時、二羽の雀が枝を争う姿を見て、翌日の夕方に隣の娘が梅の枝を折ろうとして木から落ち、ケガをすることを推測した”この占例から後世に付けられた名前です。

占例を余りにも省略して書いたので、なぜ例題になる程の事かと思われるでしょうが、答えの導き方が、五行に置き換えた場合の関わりと、個々の要素の解釈とが上手に使われていて、典型的なお手本になる解釈なのです。

易は自然界の本質や変化、現象を記号化して説明したものです。梅花心易は占う方法としては究極ともいえる手法ですが、どの数が答えを得るのに最適な数であるか、それを見定めるところに難しさがあります。筮竹を使う方法に比べ、はるかに占者の資質と研鑽が要求されます。

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