六根清浄

ろっこんしょうじょう 五種法師 ごしゅほっし
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根には何かの作用を起こす能力や機能をもった物、という意味があります。

植物は根から水分や養分を吸って育ちます。人間の性器を男根、女根と呼ぶのも、生み出す力があるからです。また人の生まれつきの性、持ち前を根性といいます。

 眼・耳・鼻・舌・身

人の感覚を起こさせる器官は、眼・耳・鼻・舌・身です。これを五根といいます。これらの器官から得られる情報により、いろいろな思いが生まれます。

この思い(意)を五根に足して六根と呼びます。そして五根それぞれが起こすさまざまの欲望を、断ち切って清らかな心(意)を得たい、と願う言葉が六根清浄です。

山に入り修行する人達は、日常生活で汚れた六根を、清らかな六根に近づけるため、六根清浄の言葉を繰り返し唱えながら登ります。

 お経に説かれている六根

六根は般若心経にも出てきますが、六根清浄によるご利益について説かれているのは法華経です。法華経は28の話で構成されています。その中の19番目の話の最初に登場します。

妙法蓮華経法師功徳品第十九

爾時仏告常精進菩薩摩訶薩。
若善男子善女人。受持是法華経。
若読若誦若解説若書写。
是人當得八百眼功徳。
千二百耳功徳。
八百鼻功徳。
千二百舌功徳。
八百身功徳。
千二百意功徳。
以是功徳荘厳六根皆令清浄。
・・・・・・・・・・・・・・・

左の文を訳すと
妙法蓮華経 法師功徳品 第十九

お釈迦様は常精進菩薩という名前の人におっしゃいました。
法華経を大切にして、読書、暗唱、解説、書写する人は、

800の眼の功徳
1200の耳の功徳
800の鼻の功徳
1200の舌の功徳
800の身の功徳
1200の意の功徳

を得るでしょう。この功徳によって、六根は荘厳にして清浄になります。

五種法師 ごしゅほっし

法華経を大切に守る人達を五種法師と呼びます。五種は受持じゅじ、読書、暗唱、解説、書写です。この中で一番重視されるのは受持です。

他の四つはこの上に成り立つことで、受持はお経を物理的に持つというより暗記することを意味します。

六つの功徳は次のようになります。

眼の功徳 先入観なく物事が正しく見える。
耳の功徳 微妙なところまではっきりと捉えられ真意が分かる。
鼻の功徳 さまざまな香りをかぎ分けることができる。
舌の功徳 食事がすべておいしく感じられる。また言葉が人を感動させる。
身の功徳 清らかな身のために、美しく健康になる。
意の功徳 清らかな心のために、多くの人が会うことを願うようになる。

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