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■回向とも書きます。 ■功徳水=極楽浄土の池の水。 ■功徳海=仏様の功徳の広大さを海にたとえた言葉。 ■功徳田=善行の種をまいて、功徳を収穫するという意味から、功徳を生む素を指す言葉。 ■功徳蔵=功徳を多く積み重ねることを、蔵にたとえた言葉。 |
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善い行いをすることによって、その人に備わる徳を功徳と言います。善い行いは、優れた結果を招く能力を持つことがポイントです。善い行いを仏教では善行ぜんぎょうといいます。お堂や塔、仏像などを造ったり、写経などが代表的な行いです。 功徳のサンスクリット語の語源には、幸福、清浄、神聖などの意味もあります。 目に見えた結果は、果報とかご利益りやくと表現されます。
善行の結果の功徳を他に廻めぐらし向けるという意味で、廻向といいます。サンスクリット語の原語には、変化・変更・成熟・発展などの意味があります。 廻向は当初、布施をした功徳を家族に振り替えるだけでした。それが後の大乗仏教になると、対象が家族から家族以外にも拡大されます。むしろ、自己的なものより、他に振り向けることが、理想的な功徳になる、という考え方になります。 例えば、お念仏の功徳を、すべての人に振り向けて、共に極楽往生ごくらくおうじょうする、という考え方です。これから転じて、法事でお経を読み、故人の冥福を祈ることを、廻向と呼ぶようになりました。
自業自得の考えからすると、廻向は矛盾します。そのため大乗仏教以外では、廻向は否定される傾向にあります。大乗仏教では、自分の利益と他人の利益、両方を兼ね備えることが理想とされます。 また、大乗仏教の中でも、浄土真宗を開いた親鸞聖人は独特な考え方をします。仏様から人々に対する廻向=他力廻向は認めますが、修行する人の廻向=自力廻向は認めません。
法要の終わりの部分で読み上げられる文章です。その法要の功徳が目的のところへ廻向されるように唱えます。よく使われる代表的なものが次の文です。 がんにしくどく ふぎゅうおういっさい がとうよしゅじょう かいぐじょうぶつどう この功徳をもって、あらゆる事に対し、私たちが仏様の教えを実践できますように願います。 |
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