戒  律

いましめ & ルール
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戒律はひとつの言葉として使われますが、本来は戒と律は別のものです。

戒は自分を制する誓いです。律は集団が円滑に活動するルールです。戒は自発的なものですから、守れなくとも罰則はありません。律には罰則があります。

日本に初めて入ってきた本格的な仏教は、この戒律の探求を中心とする律宗です。なぜ戒律から入ってきたのでしょう。

仏教の目的は、欲望の炎を消すことによって悟りの世界に到達することです。お釈迦様はその為の方法として、三種類の実践を勧めました。そのひとつが戒律です。まずは規則正しい生活から、ということです。

戒律は集団のルールを含みますから、弟子が多くなるにつれ少しずつ増え、出家者用と在家者用とができました。

お釈迦様の居た時代、出家者用は二百数十から三百数十ありました。いろいろな説があり数は定かではありません。在家者用は日々の生活で守るべきものとして、五つだけでした。これを五戒といいます。

五    戒

不殺生戒
ふせっしょうかい 殺生をしない。命を大事にする。

不偸盗戒
ふちゅうとうかい 盗みをしない。

不邪淫戒
ふじゃいんかい 淫らなことをしない。在家者の夫婦間は除く。

不妄語戒
ふもうごかい うそをいわない。

不飲酒戒
ふおんじゅかい お酒を飲まない。飲むことを悪いと考えたのではなく、酔って悪いことをすることが多いので規制された。

戒律は、自分の修行の妨げになるような行為を排除する為、そして他人の修行を妨げない為にも、守るべき事としてお釈迦様が定められたのです。

中国や日本の戒律は、インドの戒律と多少相違があります。これは国の習慣や気候風土が異なるため、まったく同じようには実践できないからです。戒律は当たり前のことを、当たり前のごとく守って生活していく、よりどころとも言えます。

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