刹  那

せつな   0.01秒の世界
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最も短い時間の単位。
刹那はサンスクリット語のクシャナの音写。叉拏しゃなとも書きます。
刹那は念頃ねんぎょうと訳します。念頃は、ひとつの心を起こす間をいいます。

 

 

 

 

 

 

 

  

 

文字がこの色の部分は、いずれもお経や注釈書の名前です。

 とても短い時間

刹那は、とても短い時間を表す言葉です。その長さについては諸説ありますが、通常、1弾指だんしの65分の1と言われています。弾指は、指を1回弾いて出る音の長さです。

 弾指 だんし or たんじ

指を弾いて音を出す場合、普通は中指と親指を使いますが、弾指は、親指と人指し指を使い音を出します。人差し指の先を中指の付け根あたりで親指と挟み、そこから人差し指をまっすぐ伸ばすように弾き、音を出します。

密教系や禅系で使われる動作で、不浄の除去や入室の合図などに使われます。用途によって動作に伴う言葉も決まっています。

 諸説を比べると

大毘婆沙論倶舎論では、
1昼夜 =30牟呼栗多 むこりった
1牟呼栗多 =30臘縛 ろうばく 羅予or羅預ともいいます。
1臘縛 =60怛刹那 たせつな
1怛刹那 =120刹那
1刹那は約0.013秒となります。
   
摩訶僧祇律では
1昼夜 =30須臾 しゅゆ  須臾は牟呼栗多の訳。
1須臾 =20羅予 らよ 臘縛と同じ。
1羅予 =20弾指
1弾指 =20瞬
1瞬 =20念
1念は0.018秒となります。

刹那は念とも訳され、1刹那と1念は同じとされていますが、下記のように記されたものもあるので、別物と考える説もあります。また刹那=須臾とする場合もあります。

1念 =90刹那 仁王般若経巻上
1念 =60刹那 浄土論註巻上
1弾指 =60念 大智度論
1弾指 =60刹那 華厳経探玄記
1弾指 =65刹那 倶舎論

いずれにしても、短い時間は、どこまでが実用であったか分かりません。しかし音楽の世界では、0.01秒の変化がノリを決めるようです。1刹那は人が感じ取れ、またコントロールできる最短の時間ではないでしょうか。

 刹那生滅 せつなしょうめつ

1刹那の中にも生滅があり、すべての物はこれを繰り返している、と考えます。同じことが繰り返されれば恒常的なものであり、一つ前と異なっていれば、刹那生滅とか刹那無常などと言います。

1刹那の中を細かく見ると、生・住・異・滅の四つの段階や、現在・過去・未来などがあり、1刹那の間には、101あるいは900の生滅があると言われています。

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