密  教

みっきょう
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密教は密儀みつぎを持つ神秘的な宗教。
密教は加持祈祷かじきとう灌頂かんじょうなどを行います。
密教の世界は、その境地に到達した者以外、うかがい知ることの出来ない世界です。 

 顕教と密教 けんぎょう と みっきょう

顕教と密教は、よく対にして扱われます。誰がどの様に説くかで、顕教と密教は分けられます。

顕教は、お釈迦様が聞く人の能力に応じて、分かりやすい言葉であらわに説いたえです。

それに対し密教は、真理そのものの現れとしての大日如来が、究極の教えを示したものです。師匠から弟子へ厳格なルールを持って、教えや作法が伝えられます。神秘的な要素が多く、非公開的な部分が多い、秘えです。

 雑密と純密 ぞうみつ と じゅんみつ

昔のインドでは、どの宗教にも密教的な部分があった、といわれています。仏教も同様です。

大乗仏教の発展とともに、ご真言陀羅尼だらにを唱えることで、除災招福などを叶える話がお経に登場します。例えば、般若心経羯諦羯諦・・・と唱えれば・・・と言うようなものです。

7世紀になると、大日経だいにちきょうや金剛頂経こんごうちょうきょうと呼ばれるお経が出来上がり、思想と実践体系が整備され、成仏することも目的となり、大日如来中心の展開になります。正な教と言う意味で、純密と呼ばれます。密教的世界観を図示した曼荼羅も、この頃に整備されました。

純密と呼ばれるものが成立すると、6世紀頃までの初期の密教は、雑密と呼ばれるようになりました。

そして、8〜12世紀にかけてインドの密教は全盛期を迎えます。

 東密と台密 とうみつ と たいみつ

3〜6世紀に密教は中国へ伝わります。日本へは7世紀に一部が伝えられ、9世紀に最澄と空海によって本格的に伝えられました。 最澄と空海は、ほぼ同時期に中国へ渡っていますが、空海は約2年、最澄は数ヶ月と滞在期間も持ち帰ったものも異なりました。

当時の密教の伝授は、胎蔵界のみ、金剛界のみ、胎金両部、胎金両部+蘇悉地部そしつじぶ、と色々なパターンがありました。

空海は胎金両部の伝授を受けて帰国します。そして、物質原理と精神原理の一元化を特色とした、東密と呼ばれる密教を確立しました。東密寺所伝の教と言う意味で、真言宗系の密教です。

系の教は台密と呼ばれています。胎金両部に蘇悉地部を加えた、三部の伝承を基本とします。

台密は完成するのに少し時間がかかりました。最澄が中国に渡った主な目的は、天台教学を学ぶことにありました。密教関係は弟子の円仁と円珍によって深められ、さらに安然によって整えられ、台密は東密と並ぶ密教となりました。

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