倶舎論

くしゃろん
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倶舎論や唯識は非常に難解なので、唯識三年倶舎八年、という言葉があります。
倶舎論を八年学んだ後に、唯識を三年学ばなければ理解不能、というような意味です。
倶舎論や唯識は、仏教を学ぶ者にとって、古来必修の科目とされていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世親
ガンダーラ地方の生まれの人で、インドでの名前はヴァスバンドゥです。
世親は新訳名で、旧訳名では天親
てんじんです。

400-480年頃の人、異説もあります。小乗仏教から大乗仏教に転向し、唯識思想を確立した人で、唯識派三大論師の一人です。

 部派仏教 ぶはぶっきょう

お釈迦様が亡くなって100年位経つと、教えの解釈の違いによって分裂が起きます。

まず、伝統をそのまま守ろうとする保守的な上座部じょうざぶと、進歩的な大衆部だいしゅぶに分かれます。

次に両派から数多くの部派が生まれ、それらが分立した時代の仏教を、部派仏教と呼びます。

 阿毘達磨 あびだつま

阿毘達磨はサンスクリット語の音写です。阿鼻達磨とも書きます。アビは勝れる、という意味で、ダルマには仏教語としては色々な意味があります。秩序を保つ−規則−お釈迦様の教え−真理−本質−特性などです。

阿毘達磨は、ダルマに関する研究、ダルマを理解する人達の智慧、のような意味になります。そして阿毘達磨の研究書を、論ろんとか論書ろんじょと言います。

論書は紀元前2世紀ごろから作られはじめ、次第に有力な部派は、みな各自の阿毘達磨=論書を持ちました。また、論書の注釈書も数多くつくられました。

 倶舎論 くしゃろん

阿毘達磨倶舎論あびだつまくしゃろんが本来の名前です。世親せしんというインドの僧侶が書いた仏教の入門書です。

倶舎は容れ物の意味です。そこで阿毘達磨倶舎論は阿毘達磨の教えと理論がすべて含まれている論書、という意味になります。

内容は、部派仏教の中で最も優勢だった説一切有部せついっさいうぶというグループの説を中心として、他の部派の説も加えて書かれました。たくさんある論書の中で、一番完成度が高い論書と言われています。そして説一切有部の代表的な書として、長く重んじられました。

現実世界のことから宇宙の構造、輪廻、煩悩、悟りに至る段階、などについて説明されています。

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