お 賽 銭

おさいせん
 TOP > やさしい仏教入門 > お賽銭

お賽銭は願いが成就した感謝の印として、神様や仏様へ供えるお金を指します。もともとはお金ではなく、珍しい物や大切なものを供えました。例えば金や銀、お洗米せんまい=洗い清めたお米などです。中でもお洗米が多く用いられ散米さんまいと呼ばれました。貨幣が出来て一般に流通しはじめると、散米より手軽なお金が使われるようになり、散銭さいせんと呼ばれました。
散銭は賽銭に文字が変わり、9世紀頃には中国で仏様へお賽銭を供える風習が一般化していたようです。日本では貨幣経済が本格化したのが中国より遅く、室町時代頃と言われています。また貨幣経済の影響は、時代と共に本来の感謝から、御利益を取引的に考える人を増やしました。

賽の字には「むくいまつる」と言う意味があります。仏様や神様から授かった御利益に対して、お礼の参りに際してお金を供えることです。

祈願の折にあげるお賽銭も喜捨の心が必要です。まずは日々の暮らしに感謝して喜捨します。喜捨は清らかな心で喜んで自分の持てる力を捨てることです。捨てるとは、見返りを求めないという意味です。

お賽銭は同じ志を持つ人々が集まり祈る場所(お)を維持するのに役立ちます。この善行に対してご利益が生まれるのです。仏様や神様は、お賽銭の額によってご加護の加減をされるのではなく、祈る人の真実な心、 誠実な行い、着実な努力に対して、ご加護下さるのです。

Copyright(c), 2000 All rights reserved by Tobifudoson Shoboin.