四大洲

しだいしゅう
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仏教的宇宙観で、須弥山しゅみせんの四方にある四つの島を四大洲しだいしゅうといいます。
四洲、四天下してんげなどとも呼ばれます。

 

四大洲と付随する中洲の名前
●東勝身洲
  提訶洲
  毘提訶洲
▼南贍部洲
  遮末羅洲
  筏羅遮末羅洲
●西牛貨洲
  舍

  
怛羅漫怛里拏洲
■北倶盧洲
  矩拉婆洲
  
拉婆洲

 

※ 遞・榲・橋はフォントにないので代用です。
遞はシンニュウではなく手偏。
榲は木偏ではなく口。
橋は木偏ではなくリッシン偏。

 

※四大洲の大きさは、阿毘達磨倶舎論第11に載っているものを採用しました。
1由旬
ゆじゅん7kmでの計算です。異説も有ります。

 四つの大きな島

ひとつの島の大きさは 8,500万km2〜2億4,000万km2です。地球の陸地の合計が約 1億4,800万km2と言われていますから、島というよりは大陸といった感じです。

四つの島には次のような名前がついています。

東勝身洲 とうしょうしんしゅう (弗婆提 ほつばだい)
南贍部洲 なんせんぶしゅう (閻浮提 えんぶだい)
西牛貨洲 さいごけしゅう (瞿陀尼 くだに)
北倶盧洲 ほくくるしゅう (鬱単越 うったんおつ)

四大洲にはそれぞれ、二つの中洲と500の小洲が付属しています。四大洲と中洲には人が住み、小洲には人が住んでいない島もあります。

私達は南贍部洲に住んでいます。そして南贍部洲に所属する中洲のひとつは、羅刹の住んでいる遮末羅洲しゃまらしゅうです。

 島名の由来は・・・

東勝身洲 勝れた身の形をしているので勝身洲と名づけられました。
南贍部洲 贍部はジャムブの音写です。贍部と閻浮は音写の違いです。提と洲は音写か意訳かの違いです。ジャムブ樹と呼ばれる大木が、たくさん生えている島ということで名づけられました。現在のインドにもジャムブ樹と呼ばれる木があります。
西牛貨洲 牛を貿易するので牛貨洲と名づけられました。
北倶盧洲 別名の鬱単越は勝処と訳します。四洲の中で最も勝れた国土なので勝処と名づけられました。

 太陽の動きは・・・

四つの島は須弥山を中心として、島名の頭文字のように東西南北に位置しています。太陽と月は須弥山の中腹を高さとして、ちょうど四洲の上を通過するように回っています。

北倶盧洲が日中のとき、隣の東勝身洲が日の出となり、東勝身洲が日中のとき、隣の南贍部洲が日の出となる。このような関係で太陽が動きます。

 島の住民は・・・

四大洲は、それそれ島の形が異なり、住民の顔の形も島の形に似ている、とされています。

各島の形は次のように伝えられています。

東勝身洲 ほぼ半月の形で、東辺が 2,450km、残りの3辺はそれぞれ 14,000km。
南贍部洲 ほぼ三角形に近い台形で、北側を底辺として3辺の長さは各 14,000km、南側のみ 24.5km。インド亜大陸の姿を反映している、といわれています。
西牛貨洲 直径 17,500kmの円形。
北倶盧洲 一辺が 14,000kmの四角形。

東西の二洲には、東が円形で西が半月、両方とも円形、など異説もあります。

北の島は、楽が多く苦が少ない所で、寿命は皆1,000歳といわれています。東西の島は、250歳または500歳とされています。私たちの住む南の島は定めが無く、四劫しこうのタイミングによって10歳〜8万歳とされています。

また、四劫で、四大洲すべてが壊滅する時と、壊滅は南だけで、東西は少し災禍を受け、北にはまったく影響なし、という時があります。

地獄も、南には八大地獄があり、東西は孤地獄と辺地獄、北には地獄が無い、となっています。

全体を通してみると、南の島は劣り、北の島は優れ、東西の島はその中間といったところです。

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