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■天台宗の教えを中国から持ち帰る重要なカギとなった八舌の鑰。 ■八舌の鑰は、天台宗を開いた最澄が比叡山の地中から発見しました。 |
八舌の鑰 |
微妙な違いがあるようですが、 指し示すものはほぼ同じと考えて良いようです。 鑰には、細かい部品を組合せて仕かけを作る、と言うような意味があります。複雑な形をした八舌の鑰には鑰の字が ふさわしいのでしょう。
中国の僧侶で智ちぎという人がいます。中国での天台宗を開いた僧侶で、天台大師とか智者大師と呼ばれています。 この人は、「自分の死後200年後に、東方の国で天台の思想がふたたび興隆するであろう。その時までこの蔵は閉ざす」と言って錠をかけ、そのカギを東の空へ向けて高く投げました。 投げられたカギははるか彼方に消え、行方がわからなくなってしまいました。以来その蔵は「開かずの経蔵」となります。
788年、日本で天台宗を開いた最澄は、比叡山でお堂(根本中堂)を建てる基礎工事中、土の中からカギを発見しました。左の絵のような八つの突起を持ったカギで、八舌の鑰と呼ばれています。 一説には、初めて最澄が比叡山に登ったとき、人の姿に変身した仏様から授けられたモノ、とも言われています。 現在は重宝として比叡山延暦寺に保管されています。
804年、最澄は中国の天台山を訪ねます。天台山にはお経などを納めた15の蔵があり、その内のひとつは、先の開かずの経蔵です。 この蔵の錠に最澄が地中から発見したカギを合わせると、スルリと扉は開きました。天台山の僧侶達は驚き、最澄は天台大師の生まれ変わりと言われ、蔵に納められていたお経の本や密教の道具は最澄に贈られました。 |
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