法   衣

ほうえ
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僧侶の服装は法衣といいます。正装用と略装用の二種類に大別されます。大きな相違点は写真のように袖の大きさです。

正装用(紺色の部分)は手がすっぽり隠れる程に袖巾が広く大きいのに対し、略装用(黒の部分)は普通の着物なみの寸法になっています。

裾のひだの数も正装用は多いのに対し、略装用はあっても一段とぐっと少なくなります。また、正装用は色々な色があるのに対し、略装用は黒のみです。

略装用は宗派によって呼び名が異なり、改良衣(かいりょうえ)改良服、伝導服、道服(どうぶく 天台宗、日蓮宗での呼び名)などと呼ばれています。形も宗派によって少しづつ異なります。主な相違点は、腰の部分に継ぎ目が有るか無いか、裾にひだが有るか無いかです。
禅宗系統(曹洞宗、臨済宗、黄檗宗)は、手巾(しゅきん)という組紐の帯をしめるところに特徴があります。

また、近年では、ほぼ洋服に近い形式のものもあります。

正装用の裾のひだのようす。

正装用は宗派による形の差はほとんどありません。通常、素絹そけん)とか単に衣(ころも)と呼びます。
素絹の素は白を意味しますが、実際には黒を基本として緋、紫、青、黄、緑、白などが使われます。

宗派により僧階と色使いの関係は異なります。緋を最高としている点と、黒は僧階に関係なく使う点は共通しています。

形で特徴のある衣は、修験で使う鈴懸(すずかけ)です。直垂(ひたたれ)に似たもので、上着と袴に分れています。
上着は九布、袴は八つのひだがあります。上衣の九は金剛界曼荼羅の九会を、袴の八は胎蔵界曼荼羅の八葉を表します。また袴の裾は紐が通してあり裾を絞ることが出来ます。 

修験の衣 鈴懸

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