格義仏教

かくぎぶっきょう
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新しい知識を得る時、どのように学びますか?
すでに解っていることで説明し、理解しやすくした格義仏教かくぎぶっきょう
格義仏教は妥協的学風とも言われます。

 

 

 

 例題

あたらしい事を学ぶとき、皆さんはどのように、なさいますか?
例題があると分かりやすいですね。仏教が中国に入った時、それまでにあった中国の思想で仏教が説明されました。

 老荘思想ろうそうしそう

老子と荘子は中国の代表的な思想家です。この二人の学説には共通している部分が多く、紀元前2世紀頃から、共通部分をひとまとめにして、老荘思想と呼ばれました。日本では、松尾芭蕉など知識人が必須とした思想です。

 格義仏教

他の教えと、そのする、と言うことで格義。比較しながら理解しようとするのが格義仏教です。例えば、般若心経のは老荘思想ので説明されました。同様に涅槃無為に、菩提に、といった具合です。
宇宙や人生の真理など、老荘思想は仏教と似た考え方が多かったので、仏教の説明に利用されました。積極的に活用したのは竺法雅じくほうがという人です。

 新たな展開

時代が進むにつれ仏教の研究が進み、対比で説明するより、時代に適した教えを説くことが必要、と主張する道安という人が登場します。老荘思想を利用しながらも、仏教本来の思想を忠実に把握しよう、とする努力が始まります。格義仏教は、4世紀前半をピークとして、5世紀頃には、その役目を終えます。

 鳩摩羅什

格義仏教の終わりに大きな影響を与えたのは、鳩摩羅什くまらじゅうという人です。鳩摩羅什は中国語への翻訳家として、玄奘げんじょう(西遊記の三蔵法師)と並んで、最も重要な役割を果たした人です。
鳩摩羅什の翻訳によって、仏教は格義の方法に頼らず、そのまま直接的に理解されるようになりました。

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