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■さとりの結果得た智慧。菩提。 ■さとりを得たいと願う心。菩提心。 ■さとりを目指す人。菩薩ぼさつ。 ■仏の原語ブッダも、菩提の原語ボーディも、目覚めるの原語ブドゥに由来する言葉です。 |
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菩提はサンスクリット語ボーディの音写です。智、道、覚、などと訳します。菩提は、さとりの結果として得た智慧のことで、声聞しょうもんの菩提、縁覚えんがくの菩提、仏の菩提、の三つによく分けられます。 声聞は説法を聞く人という意味で、弟子のことです。出家した修行僧だけを意味する場合もあります。縁覚は独覚どっかくともいいます。師匠なしで独自にさとりを開いた人を指します。色々な縁によって覚さとるので縁覚といいます。 仏の菩提=仏のさとりの智慧、が最高のもので阿耨多羅三藐三菩提あのくたらさんみゃくさんぼだいと呼ばれます。般若心経に出てくる、あの言葉です。無上正等正覚と訳されます。無上正真道、無上正遍知、と訳される場合もあります。 仏教は菩提を得ることを目的として、その実践方法=修行を説きます。
菩提を求める心=さとりを得たいと願う心、を菩提心といいます。この上も無い菩提=無上菩提、を求める生きとし生けるものを菩提薩土垂ぼだいさったといいます。通常、略して菩薩ぼさつといいます。生きとし生けるものは、人間に限りません。 菩薩の唯一の心が菩提心です。菩薩がさとりの智慧を得ると仏になります。 自らさとりを求めると共に、他の者をさとりに導こうとする、利他の求道心は大乗仏教の特徴です。道心、道意、道念、覚意などといいます。 利他=他の人を利する為に、との考え方から、さとりを得る為に→亡くなった人が迷い苦しむことがないように→お経を読んだりお供え物をしたりする→菩提の為に→菩提を弔う、となります。
我が家では葬儀や法事など、亡くなった人の、菩提を弔う寺はこの寺、と決めた寺が菩提寺です。通常お墓を置かせてもらっている寺が菩提寺となります。古くは氏寺と呼ばれました。 祖先のお墓を築き、歴代の位牌を安置して、その冥福を祈るために建てられたお寺です。時代とともに公家から武士へ、そして一般庶民へと広がります。 江戸時代の檀家制度によって、多くの家が菩提寺を定めることになりました。インドの寺は修行の場ですが、日本の寺は菩提を弔う、菩提所としての機能を果たす寺が多くなり、現在もお寺といえば菩提寺がほとんどです。菩提寺は檀那寺だんなでらとも呼ばれます。
お釈迦様がさとりを開いた場所にあった木を菩提樹と呼びます。もともとの名前はアシュバッタとかピッパラといいます。インド原産のクワ科の常緑樹です。イチジクの系統なので、水辺を好み、葉や枝を切ると白い樹液がよく出ます。 覚樹かくじゅとか道場樹どうじょうじゅとも呼ばれ、葉の形や大きさが菩提心の例えにされることもあります。 |
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