月は1周するのに約27.5日かかる為、27に設定するものと28に設定するものがあります。27と28とでは星の範囲や宿の名前が異なります。宿曜道の起源は、インドの二十七宿占星術と言われています。暦によく掲載されているのは中国の二十八宿です。
宿曜は星を仏教的に眺めたときの総称で、九曜星、十二宮、十六天、二十八宿などを指します。宿曜道に関するお経は、文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経(もんじゅしりぼさつぎゅうしょせんしょせつきっきょうじにちぜんあくすくようきょう)略して宿曜経といいます。このタイトルから推察できるように、宿曜道はもともと仏教にとって、密教行事を行う日を選ぶ占星術でした。
平安後期から星を祀る供養として盛んになり、天台宗や真言宗でいろいろと修法されました。北斗法、七星如意輪法、三九秘要法、尊星王供、本命星供、大曼陀羅供、元辰星供などと呼ばれます。
北斗七星を臣下とする最勝の星=尊星王菩薩を中心に、九曜星、十二宮、十六天、二十八宿などを祀ります。尊星王菩薩は宗派により尊星王、妙見菩薩、熾盛光、北辰菩薩などと呼び方が異なります。吉祥天と同じとする説もあります。また神道や陰陽道では霊符神といわれます。
星の供養=星祭りは、当初、国土安穏、五穀豊饒、人民快楽など国を護り、家を護り、人々の平安を祈る万民型のご祈祷でしたが、時代とともに個人型の属星祭に変わりました。個人型の属星祭は九曜星を中心として、祈願を依頼した人の守護星を祀り供養します。祀る星の組み合わせや修法の違いから宗派の特徴が出てきます。
九曜星は七曜に羅喉星と計都星を合わせたものです。七曜は太陽と月に木火土金水の五惑星を合わせたも。羅喉星と計都星は、インド天文学の白道と黄道の交点の星。昇交点が羅喉星。降交点が計都星です。 |