色々ある般若経
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般若経は、般若波羅密はんにゃはらみつの理論と実践を説くお経の総称です。
タイトルに般若波羅蜜の単語を含む、一群のお経を指します。
おなじみの260字あまりの般若心経も、その一つです。
一番大きいものが、600巻に及ぶ大般若経です。大般若経は般若経の集大成です。

普遍智藏般若波羅蜜多心經

如是我聞。
一時佛在王舍大城靈鷲山中。
與大比丘衆滿百千人。
菩薩摩訶薩七萬七千人倶。・・・

77,000人が一堂に会して、話を聞くことができたでしょうか?

ローマのコロッセウムは45,000人収容できたそうです。条件が整えば、77,000人も可能だったかも知れません。

もっとも、聴衆77,000人と書かれている般若経は、ひとつだけで、半数は人数に触れられていません。一番多いパターンは1,250人です。

 42種類の般若経

日本に伝わっている般若経は、おなじみの般若心経から、600巻に及ぶ大般若経まで、42種類あります。

大般若経は、般若経と呼ばれるものを、ほとんど網羅していますので、ザックリ分けると仁王般若経にんのう 、おなじみの般若心経、大般若経、の3種類に分けられます。

また、42種類のうち、代表的なもの10編を取り上げて、十本般若じっぽんはんにゃと呼ばれています。

大般若経の重なる部分

1.小品般若経 しょうぼん

第4会
2.大品般若経 だいぼん

第2会
3.仁王般若経 
4.金剛般若経

第9会
5.般若心経
6.濡首般若経 じゅしゅ

第8会
7.文殊般若経

第7会
8.勝天王般若経 しょうてんのう

第6会
9.大般若経
10.理趣般若経

第10会

3番目の仁王般若経は、国王に対して、般若経を崇敬して読めば護国につながる、と説かれたものです。 このお経はサスクリット語原典やチベット語訳が見当たらず、また、存在していたという痕跡もないので、偽経と言われています。

 四処十六会 ししょじゅうろくえ

四処十六会の会は会座えざのことで、大勢の人の集まりを意味します。四処十六会で、四つの場所で16回に分けて説かれた、と言う意味になりますが、歴史的な史実ではありません。

600巻、約500万字におよぶ大般若経を、内容に応じて16種類に分類したものです。初会〜第10会には、別の原典からの異訳があります。

大般若経の巻数
初 会 王舎城の鷲峯山

1〜400
第2会  〃

401〜478 
第3会  〃

479〜537
第4会  〃

538〜555
第5会  〃

556〜565
第6会  〃

566〜573
第7会 舎衛国の給孤独園

574〜575
第8会   〃

576
第9会  〃

577
第10会 他化自在天宮

578
第11会 舎衛国の給孤独園

579〜583
第12会   〃

584〜588
第13会.   〃

589
第14会   〃

590
第15会 王舎城の鷲峯山

591〜592
第16会 竹林精舎の白鷺池

593〜600

 なぜ重複するの?

般若経は数百年にわたり、次々と製作され、また何度も翻訳されました。そのために異訳や再訳など、また、何を原典として訳したかによって、何種類もの般若経が存在することになりました。

また、同じ話でも、本題だけのものと、その場の様子を付け加えたものがあります。前者は小本または略本、後者は大本または広本と呼ばれています。

その場の様子を伝える部分には、話がされた場所、その場に居た主な人の名前、集まった人数などが書かれています。

おなじみの般若心経は、略本の仲間です。

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