偽  経

疑経 ぎきょう
 TOP > やさしい仏教入門 > 偽経

お経はお釈迦様が話されたことの記録です。
たくさんのお経を収録したものを大蔵経とか一切経といいます。
お経の解説書や研究論文も、お経と同様に大蔵経に収録されました。

私はこのように聞きました。

 

 

 

 

 

 真経 しんきょう

元からあったもの=サンスクリット語のお経などから翻訳されたものを、真経または正経しょうきょうと呼びます。

これに対し、中国などで作られたお経=翻訳とは言い難いお経を、偽経、疑経ぎきょう、中国撰述経典などと呼ばれています。朝鮮や日本で作られた偽経もあります。

 増殖?

偽経は時代と共に増えます。4世紀頃30巻程度だったものが、6世紀には約500巻、7世紀には1000巻を超えます。7世紀頃の大蔵経は収録数が5000巻位ですから、1000巻のシェア?は大変なものです。

 おなじみのお経も

盂蘭盆経・・・中国は孝を重んじる国なので、布施功徳を先祖供養に結びつけたお経、と言われます。

父母恩重経・・・中国に古くからある孝の思想を取り入れ、仏教に帰依することを説いたお経、と言われます。
 ※ 帰依=心身ともに信じて頼りにし、教えを実行していくこと。

この二つは代表的なものです。この他にも、よく使われるお経で、偽経に分類されるものがあります。

 評価される面

当時、中国の人々が何を求めていたか?・・・
外来宗教の仏教を根付かせる為、お釈迦様の教えをどう解釈したか?・・・
などを研究する材料として、偽経は貴重な存在となっています。

 真と偽

お経の原型が出来たのは、お釈迦様の死後だいぶ後です。それまで語り継がれてきたことを、互いの記憶を確認しながら編集し、記録したのがお経の始まりです。

お釈迦様の話をそのまま伝えているお経は元々無い、と言う説もあります。

真偽の違いは、インドで撰ばれた話か、中国で撰ばれた話か、の違いともいえます。

真偽が重視されたのは、お経の目録を作る上で、出所をハッキリさせる為です。内容に誤りがある、と言うことではありません。

 (C) Copyright 2007 Tobifudoson Shoboin.All Rights Reserved.

TOP > やさしい仏教入門 > 偽経