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■不許葷酒入山門 くんしゅ、さんもんに、いるをゆるさず ■生臭いものやお酒は、修行の妨げになるので持込禁止。 ■このような文章が書かれた石碑は、よく禅宗系統のお寺に建てられています。 |
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禅宗は、お釈迦様の色々な教えの中から、坐禅にポイントを絞った坐禅宗の略です。達磨大師だるまだいしを開祖とします。 中国では、唐から宋の時代にかけて、禅宗は、臨済、曹洞そうとう、雲門、法眼、爲仰いぎょうなどの五家七宗ごけしちしゅうに分かれます。後に臨済と曹洞の二派にしぼられ、日本では臨済宗、曹洞宗、黄檗宗おおばくしゅうが、この禅宗に当たります。
問答は、問対もんたい商量しょうりょう問酬もんしゅうなどとも呼ばれます。禅宗系統で、よく行われる修行の方法です。 修行者が仏教について質問し指導者が答える、これが基本です。逆に指導者が質問し、修行者の答えによって修行の出来具合を点検する場合もあります。 お釈迦様も、問答によって弟子たちを導きました。中国では禅宗の興隆とともに、禅問答は盛んとなり、日本では鎌倉時代から江戸時代中期にかけて盛んになりました。 禅問答には、会話だけでなく動作も含まれます。そこから、落語の「こんにゃく問答」や「一休さんのとんち話」が生まれました。
禅問答の問題を公案といいます。公案は、もともと役所の公式文書をいいます。公府が是非を判断した案牘あんとくからきています。案牘=取調べを必要とする書類や手紙。 公案は目安となるもの、守るべきものなので、禅の世界においても手本となる、先師の言葉や動作を公案と呼ぶようになりました。1700あまりの公案が伝えられています。 公案は、問いに対して、いかに無心になって自分の心中を即座に出せるか、それを試すものです。したがって修行者の出す答えの良し悪しは、あまり問題にされないようです。
公案を利用して悟りを開かせる方法を、公案禅とか看話禅といいます。臨済宗でよく用いられます。看はじっと見守る、注視するの意味で、話は公案を指します。 曹洞宗では、山川草木、飛花落葉など、自然現象も修行者にとっては 仏教の真理を教示している公案である、と考えられました。また一方で、坐禅に徹することで足りる、とする黙照禅もくしょうぜんもあります。 黙々と坐禅する=黙照禅。 |
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