結界石

けっかいせき
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結界石は結界を示す石です。
結界石としては、不許葷酒入山門と刻まれた石が有名です。
葷酒くんしゅとは臭いの強い野菜とお酒をさします。

 

 

※ 清規とは、禅系統のお寺で修業僧がよりどころとすべき清浄な規則という意味です。

 結界石

結界石はお寺や修行の場など、特別な意味をもつ領域を示すために建てられた目印の石です。結界とだけ簡単に刻まれたな小さな石から背丈ほどの物まで色々あります。

左の写真のように縄で結わいた石も結界石のひとつです。関守石せきもりいしとか留め石と呼ばれます。一時的に立入禁止を示す場合に用いられます。

禅系統のお寺では、不許葷酒入山門と刻まれた石がよく建てられています。葷酒、山門に入るを許さずと読みます。

葷酒=臭いの強い野菜やお酒は持ち込み禁止、という表示です。禁牌石きんばいせきとか葷酒牌ぐんしゅのはいと呼ばれる結界石です。

黄檗宗の儀礼と規律が書かれた本=黄檗清規おうばくしんぎには左のような図が示され、高さ約180cm〜210cm、幅約36cm、石で作り山門の外に建てる、と記されています。

 葷酒 くんしゅ

は通常、五辛ごしんをさします。五辛は大蒜にんにく茖葱らっきょう慈葱ねぎ蘭葱ひる興渠こうきょのこと(梵網経ぼんもうきょう)とされていますが、お経によって多少異なります。

いずれにしてもネギ系の植物が多く、臭気で他人に迷惑をかける、精力がついて余計な妄想が起きる、などがないようにという配慮から禁止されました。

は、穀酒、木酒、果酒、薬草酒など、いろいろな種類がありますが、どれも飲酒の結果、悪業を生じることが多いので禁止されています。

倶舎論くしゃろんや梵網経では、飲酒は遮戒しゃかいで、仏弟子がお酒の売買をすることは重罪とされています。

不許葷酒入山門は、修行の場に妨げになるようなお酒や精力のつく野菜を持ち込んだり、食べた者は立入禁止、というめです。

また、たわむれで、
不許葷酒入山門を、
葷を許さず、酒は山門に入る、と読んで飲酒の口実にする人もいます。

 

 

 

※ 遮戒は比較的軽い禁止事項です。

五辛は治病のためならばOKとする考え方もあります。

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