三  災

さんさい
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三災は、仏教的宇宙観で、周期的に起こる宇宙規模の災害です。
三災は、三種類の災害、の意味で三災劫ともいいます。

 四劫 しこう

仏教では一つの世界が誕生し、成長し、寿命を終えて次の世界が誕生するまでの1サイクルを4段階に分けて四劫といいます。

成劫じょうこう 世界が成立する時代。
住劫じゅうこう 存続、継続する時代。
壊劫えこう 破壊の時代。
空劫くうごう 破壊が終わって次の成劫までの間。完全に空となる時代。

は時間の単位です。長さについては諸説があります。四つの期間は、それぞれ20劫ずつです。

 減劫と増劫 げんこう と ぞうこう

住劫の期間に、人間の寿命は8万歳と10歳の間で、増減を繰り返します。

8万歳の寿命が、悪業あくごうのために100年毎に1歳ずつ減少し、10歳になるまでの期間を減劫といいます。反対に、100年毎に1歳ずつ増えて8万歳に戻るまでを増劫といいます。

増減1回で1劫です。住劫の期間は20劫ですが、最初の1劫は減少からはじまり、最後の1劫は増加で終わるので、繰返しとしては19回です。そして最初の減劫と最後の増劫は、時間が2倍かかるとされているので、時間の長さとしては全体で20劫になります。

減劫の時には、苦しむ人々を救うため仏様が出現し、増劫の時には四種の輪王が出現する、といわれています。

 大小の三災 さんさい

四劫の循環には大小の三災がある、とされています。

小の三災
刀兵災とうびょうさい 互いに凶器をもって殺害する。
疾疫災しつえきさい 悪病が流行する。
飢饉災ききんさい 干ばつによる飢饉が起こる。
小の三災は、人の年齢が10歳に低下したときに起こり、人々が滅びるとされています。

大の三災
火災 熱火によって初禅天までを焼失する。
水災 大水害によって第二禅天までを流失する。
風災 大風害により第三禅天までを破壊する。

壊劫の最後の期間に七つの日輪が現れて、大火災が起き初禅天以下が焼失します。火災が7回起こった後、水災が1回あり第二禅天以下が流されます。

この7火1水が7回起こった後、8回目は火災7回の次に風災が起き第三禅天以下が破壊され、壊劫は終わり空劫に移ります。

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