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■安居は一定期間、外出せずに、寺にこもって修行します。 ■安居は、雨から生まれた言葉で、雨期を意味します。 ■夏安居げあんご、夏行げぎょう、夏籠り、夏勤め、坐夏ざげ、坐臘ざろう、などとも呼ばれます。 ■いわば安居は夏の講習会。安居会あんごえとも呼ばれます。 |
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インドでは6〜10月頃、雨期となります。雨期には川が氾濫し、交通が困難になります。また、この時期は草木や虫がよく成長する時期にあたります。 そこで、足元の悪いこの時期に外出し、小虫を踏み潰したり、新芽を痛める恐れを考えると、出かけないのが一番、洞窟や寺にこもって修行に専念することになりました。これを安居といいます。 安居中の食事は在家の信者が運び、修行者から説法を聞くことを習いとしました。 この安居のための居場所が、お寺の始まりともいえます。この時代の寺は修行者たちの居住する場所であり、現在のような仏様をまつる寺ではありません。 お釈迦様が安居を行った場所は、1回目が鹿野苑、2〜4回目が竹林精舎、5回目が大林精舎、以降44回目まで所々不明のところもありますが、記録されています。 よく知られている祇園精舎は14回目から登場し、竹林精舎と祇園精舎がとにも計5回で、一番多く安居が行われた場所です。
期間は、4/16からの90日間とされています。安居は雨季に行われるので雨安居うあんご、またその期間が夏なので夏安居げあんごとも呼ばれます。 インドは広いので、地域により雨期にズレがあります。そこで参加者のことを考えて、前中後の3種類の安居期間がありました。 4/16からを前安居、5/16からを後安居、その中間4/17〜5/15の間に始めるものを中安居と呼びました。 そして安居の初日は、夏安居の制度を結ぶ、との意味で結夏けつげ、あるいは結制けつせいと呼ばれます。 最終日は、夏安居の制度を解くので解夏げげ、あるいは解制と呼ばれます。 安居の最終日には、参加者全員による反省と懺悔さんげの会が催され、修行者に対する色々な供養も行われ、終わると修行者は各地へ出発しました。 この最終日の修行者に対する供養が、お盆のいわれにつながります。
日本にも安居は伝えられました。しかし雨期がないので形が変わり、夏安居のほかに秋安居、冬安居などが生まれ、国土安穏や長寿息災を祈る法会形式が多くなりました。 期間は宗派により異なり、一定していませんが、夏安居は旧暦の4/16〜7/15日の三ヶ月間が基本とされています。 日本の安居は天武天皇12年683、宮中で行われたのが最初といわれています。延暦25年806桓武天皇の命により、15大寺と諸国の国分寺で安居が行われ、以後、官寺の恒例行事となります。 そして平安時代以後になると、安居は一般寺院でも盛んに行われました。特に禅系統の寺では安居がよく行われ、形はだいぶか変わりましたが、現在でも夏と冬に安居が行われています。 冬の安居は冬安居とうあんごまたは雪安居せつあんごと呼ばれ、10/16〜1/15または11/16〜2/15の期間に行われます。 |
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