温   室

うんしつ
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温室は「うんしつ」と読みます。
温室はおに作られた浴室のことです。
古くは「ゆや」(湯屋)とも読みました。
病も除く温室です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 仏説温室洗浴衆僧経 ぶっせつうんしつせんよくしゅそうきょう

仏説温室洗浴衆僧経は、耆域ぎいきと言うお医者さんが、お釈迦様や弟子達に入浴を薦め、それを受けてお釈迦様が、入浴の功徳について話したことが収録されているお経です。

耆域ぎいきは耆婆ぎばとも呼ばれます。サンスクリット語ではジーヴァカ。開腹手術や頭蓋骨の縫合手術をしたと伝えられる、お釈迦様時代の名医です。

入浴は七つの病を除き、七つの福を授かるとされ、病気の人や貧しい人々に対し、お寺などで入浴を施すことが行われました。

 七物

お経には、入浴に七つの物を使うことが書かれています。
1. 然火ねんか・・・薪。
2. 浄水じょうすい・・・清い湯水。
3. 澡豆そうずorそうとう・・・豆類で作った洗い粉。石鹸にあたるもの。主に洗顔用。
4. 蘇膏そこう・・・樹脂や牛・羊の脂から作った皮膚を滑らかにする油or薬?
5. 淳灰じゅんかい・・・樹木の灰汁(あく)。アルカリ分の多い洗剤。洗髪用?
6. 楊枝ようじ・・・楊柳の枝をほぐして作った歯ブラシ。
7. 内衣ないい・・・湯上りタオルがわりの浴衣。乾いた浴衣を着て汗をぬぐった。
そして、入浴で身体を暖め垢を落とせば、病気が治って健康的になる、と説かれています。インドは暑いので、身体をきれいに保つことが特に重要だったのでしょう。七つの福では、美肌効果や口臭についても触れられています。

 入浴

日本でもお寺には、湯屋・温室・温室院などと呼ばれる入浴施設が作られ、社会事業の一端として入浴が広がりました。

施浴せよく施湯せゆ湯施行ゆせぎょうなどと呼ばれ、病気の人や貧しい人々を対象に入浴施設が開放されました。衛生施設の乏しい古代や中世では、お寺の温室は病院としての現実的な役割もはたし、施浴は布教活動として重視されました。

また、中世の禅系統のお寺では、温室が七堂伽藍の一つに数えられた時代もあります。浴室清規よくしつしんぎという入浴作法も定められました。

 蒸気と温湯

入浴には蒸気浴と温湯浴の2種類があります。温室は蒸気浴で、石室や釜風呂に熱気や蒸気を満たす蒸し風呂です。別の部屋で作った蒸気を浴室に引き入れるタイプもありました。

お湯につかる入浴は比較的新しいことです。当初は風呂といえば蒸し風呂のことで、このときの敷物が風呂敷、入浴時に使う下帯や腰巻を包む布としても使われました。

蒸気浴が風呂で、温湯浴は、お寺では湯屋、朝廷や貴族の屋敷では湯殿、と呼ばれました。

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