社 僧

しゃそう
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社僧しゃそうは、宮寺ぐうじに住んで仏事を行う僧侶です。
宮寺は神社に付属して建てられたです。
社僧は宮僧くそう供僧ぐそう神僧しんそうなどとも呼ばれました。

 宮寺制

奈良時代の初めころから、神仏習合思想によって神社に付属する寺が、神社境内かその近辺に建てられました。

建てられた寺は、宮寺とか神宮寺じんぐうじと呼ばれ、そこで働く僧侶は社僧と呼ばれました。

社僧は神前でお経読んだりご祈祷をしたりして、神様にお仕えしました。

 役職

社僧には、別当べっとう、検校けんぎよう、勾当こうとう、専当せんとう、御殿司、入寺僧、執行しゅぎょうなど、いろいろな役職がありました。

別当は、他に本職があり兼ねてにその任にたる、の意味で、最初は兼務の長官を意味しましたが、後に専任の長官の名称となりました。

検校は、事務を点検・監査する、の意味から、社僧や事務を監督する役職で、時には別当より上位になります。当初は臨時の役職でしたが、後に常設となりました。

勾当は、事務を専門に担当することを意味し、別当の補佐で事務官的な役職です。 

専当は、勾当の下で主に社務を担当。

御殿司は、別当について庶務を担当。

入寺僧は、学問所に入った者で、御殿司の下の階級です。

執行は、実際の事務や法要を仕切る役で、御殿司、入寺僧の中から、器量の勝れた者が一人選ばれました。

学頭執当執事脇堂などは、文書の書き写しや雑務を担当。

承仕宮仕職掌人は、掃除などの雑役を担当しました。

このほかにも、ある宮寺に限って設けられた役職もありました。

 神社との関係

上級の社僧は、所属する神社の神官以上の権限を持っていました。神社の管理運営も、寺側が中心のことが多く、仏教による祭祀が盛んに行われました。

なかでも別当寺と呼ばれるものは特に寺側の支配権が強く、一般の宮寺とは区別されました。別当寺が設けられた神社は格式のある神社です。

明治になると、神仏分離によりほとんどの宮寺が廃止され、お堂や仏像などが廃棄されました。

また、宮寺ではなくとも廃仏毀釈はいぶつきしゃくによって消えた寺はたくさんあり、江戸時代に約23万あった寺が、明治以降には約8万前後になりました。

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