四大翻訳家

鳩摩羅什 玄奘 真諦 不空
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インド語のお経を中国語に訳した代表的な四人。鳩摩羅什 玄奘 真諦 不空。
訳したお経の数には諸説があります。標準的と思われる数を示しました。
名前の後ろの数字は生没年です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

  

 

 

 

 

 

法はフォントにないので代用です。偏がさんずいではなく人偏です。

 鳩摩羅什 くまらじゅう 344−413 または 350−409

サンスクリット名はクマーラジーバ。音写に当てられる漢字は数種類ありますが、鳩摩羅什が一般的です。くもらじゅうと呼ばれたり、羅什と短く言われることもあります。漢訳すると童寿となります。7歳で出家しました。

父はインド人、母は亀茲国王きじこくおうの妹です。亀茲国は今のウイグル自治区あたりです。

大乗仏教の布教に努力した人で、般若経、維摩経ゆいまきょう、法華経など、おなじみのお経を翻訳しました。
中国仏教の基本的な方向づけをした人です。訳し方も名訳といわれています。

訳した数は35部294巻といわれます。

 真諦 しんたい 499−569

サンスクリット名はパラマールタ、波羅末他()と書きます。拘羅那他クラナータと書く場合もあります。真諦はパラマールタの漢訳で、クラナータは訳すと親衣となります。西インドの人です。

金光明経こんこうみょうきょう倶舎釈論くしゃしゃくろん大乗起信論などを翻訳しました。大乗起信論は、偽経の疑いを持たれるお経ですが、中国や日本の仏教には大きな影響を与えたお経です。

動乱などで各地を転々としたり、最後は自殺を考えるなど環境に恵まれなかった人です。

訳した数は64部278巻といわれます。

 玄奘 げんじょう  602−664 または 600-664

河南省洛陽らくようの出身で三蔵法師として有名です。原典に基づいて研究しようと志し、インドへ出かけます。翻訳の特徴も、原典に忠実なところにあります。意訳より音写を多用し、五種不翻ごしゅふほんの原則を確立しました。

玄奘と鳩摩羅什は、次のように翻訳時期の区分点にされます。

古訳 < 鳩摩羅什 < 旧訳 < 玄奘 < 新訳

玄奘と言えば西遊記が有名ですが、実際の旅行記は大唐西域記だいとうさいいききと呼ばれ、12巻ほどの中央アジアやインドなどの地理、風俗、文化、宗教などを伝える書物です。

訳した数は75部1335巻といわれます。

 不空 ふくう 705-774

サンスクリット名はアモーガバジュラ、阿目跋折羅と音写します。漢訳すると不空金剛となります。

父はインド人、母は康国こうこくの人です。康国はカスピ海の東辺りにあった国です。

密教関係の翻訳をたくさん手がけて、密教を中国に定着させた人です。.翻訳したお経の中には理趣経りしゅきょうのような、日本の密教に重要な役割を果たしたお経も含まれています。

また文殊菩薩の信仰にも力を注いだ人として知られています。

訳した数は210部143巻といわれます。

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