聖天様

大聖歓喜天
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聖天様は通称で、大聖歓喜大自在天だいしょうかんぎだいじざいてんといいます。
双身像の聖天様は、夫婦和合・安産・子宝の神様として信仰されています。
聖天壇、聖天厨子など、聖天様はお姿も特殊なら、祀り方やお供えにも特徴があります。

仏様の手を数えるときは臂といいます。例えば顔が三つで手が六つのときは三面六臂といいます。

 

 

聖天様を現す代表的なデザイン。

二又大根と巾着型をした歓喜団をイメージさせるデザイン。

 お姿は・・・

現在では、インターネット上でいろいろと見ることが出来ますが、古来よりお姿は公開しない習わしになっています。したがって、ここでは絵や写真は控えることにいたします。

聖天様のお姿は、頭がゾウで体は人間です。

この姿は仏教に取り入れられる以前からで、頭がゾウになった経緯には、いくつかの因縁物語があります。また、それとは別に、ゾウの能力や性質などから、力強く障害を除くことを現す、という解釈もあります。

原型は、インドのガネーシャ神と言われています。単身像と双身像があります。

単身像は二にひ、四臂、六臂、八臂、十二臂などがあり、持物は、刀、歓喜団、大根、棒、戟げき、索など諸説があります。

一般的には双身像が多く、互いに相手の右肩に顔をのせて、立ったまま抱擁している形です。

二天ともよく似ていますが、女天は冠をかぶり、ブレスレットとアンクレットをしています。そして両足とも男天の足先を踏んでいます。男天は冠がなく、赤色の袈裟をかけ、両天ともに裙くん(巻きスカートのようなもの)を着けています。

男天がゾウで、女天が猪の場合もあります。

 魔王から和合の神様へ

原型のガネーシャ神には、幸福をもたらす神様、障害をもたらす神様、と相反する見方があります。

密教では、聖天様はもともと仏道修行者を誘惑する魔王とされていました。仏教に取り入れられてからは、大自在天の子で韋駄天の兄弟とされ、魔障を取り除く神様となりました。

金剛界、胎蔵界、両方の曼荼羅に登場する程、密教では重要な神様として扱われています。

双身の場合、男天は魔王、女天は十一面観音の化身とされています。女性特有の優しさによって魔王の暴れる心を鎮め、仏教に帰依させた、といわれています。

力強く障害を除くことから、何かを断つ祈願に効き目がある、とされていますが、夫婦和合や、子授けの神様としても有名です。

 お供え

聖天様へは、歓喜団かんぎだんと呼ばれる御菓子や大根をお供えします。

歓喜団は、酥、麺、蜜、薑きょう、胡椒、華麦、葡萄、胡桃、ザクロ、などを練って作ったものです。歓喜丸かんぎがんともいいます。レシピはいくつかあり、百種類の薬草や薬果で作るものもあります。

大根は聖天様の好物とされ、二又の大根を供えます。大根は性器を表現するもの、とも言われています。

聖天様に祈願するときは、大根を絶ちますから、と願うと聖天様が同情して、いち早く願いを叶えてくださる、という説もあります。

 供養方法

聖天様を供養するときは、聖天壇と呼ばれる丸い壇で行われ、浴油供よくゆぐ華水供けすいく酒供しゅくの三通りの方法があります。

有名なのは尊像に油を掛けて清める浴油供です。そのため聖天様の尊像は、金属製が多く21cmまたは15cm程度の大きさに作られています。

いずれの供養法も、非公開で行うのが基本です。

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