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■仏様や神様に供える物。 ■仏・法・僧の三宝に対して供養する物。 ■供物には、初物を供えるのが一般的。 |
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当初インドでは、僧侶に施す物が供物でした。お釈迦様が生きていた時代の供物は、衣服や寝具、食べ物、薬など僧侶の生活を支える日常品でした。時には土地や建物であったこともあります。 供養は、仏・法・僧の三宝に対して行われますが、お釈迦様が亡くなってからは、お釈迦様に対する供養がよく行われました。お釈迦様の姿を安置して、生前中と同じように供物が供えられました。そして、しだいに一定の儀式となってゆきます。 中国や日本では、供物は仏様や祖師など、礼拝の対象に供える物に限られてきます。
供物で代表的なものは、仏様のご飯=仏飯ぶっぱんです。お米の場合は供米くまいと言います。米飯は主食ですから当然ですが、米飯以外にお餅・菓子・果物なども供物になります。 大智度論だいちどろんというお経の中に「百味の飲食を諸仏および僧に供養する」と出てくるところから、米飯以外の色々なものが供物となり、法要などでは供えられた供物は、信者に分けられ、信者はこれを食べて仏縁をより深く結ぶことになります。
広い意味では供える物が供物ですから、供物は食べ物に限りません。お経を読むことも歌を歌うことも、きれいに飾ることも供物となります。 お花やお香、お灯りは、今も最も普通に供えられる供物です。衣服・食べ物・寝具・薬、この四つを施すことを四事供養といいます。 華・香・瓔珞ようらく・抹香・塗香・焼香・所Wそうがい・幢幡どうばん・衣服・伎楽の十種類を施すことを十種供養といいます。 飲食は最も普通に供養される物で、ご飯やお餅は飲食を簡略化したものです。
密教では、閼伽あか・塗香ずこう・華鬘けまん・焼香・飲食ぼんじき・灯明の六種類を六種供養ろくしゅくようと言って重要な供物となります。そして供養する仏様や神様、目的によって、六種類のものは微妙に異なります。 例えば塗香は、草の香、根汁の香、花、香樹の皮、など目的によって組み合わせが異なります。色使いなども、息災なら白色の香、増益なら黄色の香、降伏には紫色の香、といった具合で、味にも花の色にも定めがあります。 また、聖天さまの歓喜団かんぎだんのように、その仏様や神様だけに定められた独特の供物もあります。
神様に供えるものを神饌しんせんと言います。神饌は御饌みけともいいます。食べ物が中心となります。海や陸で採れた物、栽培した物などから、最高の物を供え物とします。 神様の恩恵に感謝して、神様のお下がりをいただく考え方です。一般的に供物は生物と思われがちですが、煮炊きした加工品でも構いません。 |
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