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■多宝塔は多宝如来をお祀りする塔です。 ■多宝仏塔ともいいます。塔婆の一種です。 ■法華経の中に、七宝で飾られた塔が出現する話があり、それに基づいて作られた塔です。 |
インドの仏塔ストゥーパ
多宝塔 五輪塔 宝篋印塔 無縫塔or卵塔 |
お釈迦様の遺骨=舎利を祀るために作られた塔が、仏塔のはじまりと言われています。最初の仏塔が、どのような形であったかよく分かっていませんが、おわんを伏せたような形が基本と言われています。 日本では塔といえば、高い建物をイメージしますが、仏塔のサンスクリット語はストゥーパで、ストゥーパは塚を意味します。 インドは暑い国なので傘が付き、大切な物なので台が付き、玉垣や門などが備えられた、と言うように次第に丁寧な形に変化していった、と考えられています。そこには仏教の自然観や宇宙観も影響しているようです。 お参りする対象は、はじめ仏塔だけでしたが、やがて仏像が登場すると、仏像を祀る建物=仏殿がつくられ、仏塔と仏殿が一体化したり、機能的に分けられたり、楼閣建築の影響を受けたり、色々と変化しました。
形から分類すると、層塔・多宝塔・五輪塔・宝篋印塔ほうきょういんとう・無縫塔むほうとう=卵塔らんとうなどがあります。 層塔は幾重にも重なった塔のことで、三重塔や五重塔などをさします。七重塔や九重塔もありましたが現存していません。十三重塔は奈良県の談山神社たんざんじんじゃ=多武峯妙楽寺とうのみねみょうらくじにあります。 多宝塔は左の図のように、下(緑の部分)が方形で上(青の部分)がおわんを伏せたような丸い形をしています。二重塔のように見える、日本で創造された仏塔、といわれています。 五輪塔は、地水火風空の五大元素を表す、五つの形の物を積み上げた塔です。石造りのものが多く、塔婆の先端の刻みは、これを表しています。 宝篋印塔や無縫塔も、五輪塔と同じく石造りが多い仏塔です。
多宝塔は大日如来を具現化した塔、といわれています。多宝塔以外の仏塔は、どれも舎利を納めることを目的とした塔です。 多宝塔の名前は、法華経の見宝塔品けんほうとうほんに由来します。見宝塔品は、地中から宝塔が出現し、中に居た多宝如来がお釈迦様の説法を称えた話です。 当初、多宝塔は多宝如来をまつる塔を指し、特定の建築様式をを指す言葉では無かったようです。三重塔や五重塔で多宝如来を祀った絵が残されています。 形的には、多宝塔が仏塔のメイン=おわん状の部分を主体に発達しているので、仏塔の原型に一番近い塔といえます。 通常、多宝塔には、お釈迦様を胎蔵界の大日如来、多宝如来を金剛界の大日如来として、右にお釈迦様、左に多宝如来を祀ります。その他、大日如来、金剛五仏、法華曼荼羅木像四十六尊、法華経などを祀った例もあります。 |
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