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■仏様の頭の頂=仏頂 ■お釈迦様の頭上に宿った尊者=仏頂尊 ■無愛想な顔つき=仏頂面 |
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仏様の頭の天辺あたり、マゲのように肉が盛り上がっている所を仏頂と言います。仏様の三十二相のひとつに数えられる吉相です。肉髻相にっけいそうとか無見頂相むけんちょうそうと呼ばれます。 肉髻も仏頂も烏瑟膩沙うしつにしゃの訳です。烏瑟膩沙はサンスクリット語の音写で、一般的にはターバンや冠をさします。 無見頂相は、仏様の頭の上は普通の人には見ることができない、と言う意味です。
仏様の頭の上にやどる最勝最尊の智慧を、仏様化したものを仏頂尊ぶっちょうそんといいます。仏頂尊の分類に入る仏様は色々とあります。肉髻を仏様化したものも仏頂尊と呼びます。 仏頂尊はいくつかのグループに分けられます。 ●三仏頂 如来の胎蔵界三部の徳を表します。 ●五仏頂 如来の五智を表します。 ●八仏頂 三仏頂と五仏頂を合わせたもの。 ●九仏頂 八仏頂に摂一切仏頂せついっさいぶっちょうを加えたもの。 ●十仏頂 九仏頂に普通仏頂を加えたもの。 いずれの仏頂尊も、お経によりいろいろな異名を持ちます。また密教的に見た場合の○○金剛という呼び名もあります。 いろいろとある仏頂尊のなかで、最も優れた徳を持ち、頂点に立つのが一字金輪仏頂いちじきんりんぶっちょうです。大日如来ゆかりのものと、お釈迦様由来のものがあります。 本来は一字頂輪ですが、勝れた教え=法輪=金輪に例えて一字金輪と呼ばれています。
仏頂面ぶっちょうづらは、仏頂尊の恐ろしい顔に例えられたもの、とする説明もありますが、仏頂尊はおおむね如来ですから、恐ろしい顔はまずありません。ただ異国情緒豊かな仏像になると、多少怖く見えるかも知れません。 真剣に考えている時、宿った仏様が仏頂尊ですから、仏頂面は無愛想な顔、と言うことでしょう。日常生活でも考え事をしていて無愛想なのと、不機嫌なのとは見分けがつきにくく、困ることがあります。 考え事をしていたのに、不機嫌なように思われたら・・・日頃の行いが大切ですね。 仏頂面は、広大無辺の功徳から生まれた仏様の顔で、智恵に優れ、威厳に満ちた顔です。 |
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