役小角の伝記

えん の おづの or おづぬ
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役小角は、7〜8世紀に奈良を中心に活躍した修験道の開祖とされる人です。
役行者えんのぎょうじゃ役優婆塞えんのうばそく神変大菩薩じんべんだいぼさつなどとも呼ばれます。
神変大菩薩の名は1799年に役小角1100年御遠忌に際し光格天皇から贈られた諡号しごうです。

優婆塞はサンスクリット語の音写で在家信者のことでが、日本霊異記では呪術的な力を持つ半僧半俗の行者を優婆塞としたようです。

諡号は僧侶や貴人などに、生前の行いを尊んで朝廷から贈られる名です。

 役行者本記

役小角の名前が正史に登場するのは、797年に成立した続日本紀しょくにほんぎが最初です。699年に役小角が呪術に関することで悪質な噂をたてられ伊豆島に流された、と書かれています。

続日本紀では70字たらずの記述が、20〜30年後にできた日本霊異記にほんりょういきでは、400字程度の詳しい説明となり、これが後の説話や伝説の基となります。

平安後期〜鎌倉時代になると、今昔物語や水鏡など数多くの本で取り上げられ、その度に内容が少しずつ増え、室町時代になると役行者本記という開祖伝が書かれました。

また、役小角の神格化もかなり進み、おおむね大日如来不動明王→法起菩薩→役小角のような関係ができあがり、役小角が生まれる以前の因縁話も強調されてきます。

 役君形生記 えんくんぎょうしょうき

開祖伝として最もまとまったもの、と言われるのが役君形生記です。1684年に相模国の修験者、秀高によって書かれました。

時代を追って主な事柄をあげ、詳細な説明が付けられています。目次を挙げると次のようになります。

上巻
第1 證誠しょうじょう行者の事
第2 過去契約の事
第3 小角誕生の事
第5 幼稚遊戲ようちゆげの事
第6 悪鬼隋逐あっきずいちくの事
第7 箕面入瀧みのおにゅうりょうの事

下巻
第1 大峯修行の事
第2 葛城修行の事
第3 久米路橋くめじはしの事
第4 豆州配流とうしゅうはいるの事
第5 勅許皈洛ちょっきょきらくの事
第6 慈父報恩じぶほうおんの事
第7 新羅歸入しらぎきにゅうの事
第8 異類化度いるいけどの事

※本文中ではタイトルや番号の割り振りが、目次と異なるところがあります。

内容は次のようなことが書かれています。

上巻
第1〜2 生まれる以前の因縁物語。
第3〜5 幼い時から信心深く優れていたこと。
第6 前鬼、後鬼を従えたこと。
第7 箕面の瀧で龍樹菩薩から灌頂を受けたこと。

下巻
第1〜2 それぞれの場所での修行の様子。
第3 葛城山と金峯山の間に橋を架ける話。
第4 一言主神の嘘により伊豆の島に流された話。
第5 再度、一言主神の嘘により処刑されそうになるが、奇跡が起こり救われた話。
第6 両親の供養の為、千基の塔婆を建てたり先祖伝来の田畑を寺に寄付した話。
第7 母を鉢に乗せ自分は草葉に座り唐へ渡った話。
第8 新羅で500匹の虎とともに道昭の説法の席に連なった話。

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