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■山伏のシンボル”法螺” ■日本で取れる最大の巻貝。 |
バン |
法螺貝は、大きいものは長さ約40cm、直径約20cm程になります。 紀伊半島から南の暖かい海で採れます。修験の法具として有名ですが、インドでも人を集める合図などに使われました。 音が非常によく響き、山間部ではかなり遠くまで届きます。このことから法螺の音は獅子吼に例えられます。説法がよく届くことを表現して、千手観音など、いろいろな仏様の持ち物になっています。
修験では、法螺は単なる合図の道具ではなく、色々な意味を持ちます。 法螺は大日如来の境地に導く入口で、吹く前に次のような文を唱えます。「三昧法螺声、一乗妙法音、経耳滅煩悩、当入阿字門」 意味は・・・「法螺の音があまねく平等に法界に充ちる。法螺は法華経を説法する声であり、一切衆生の迷いを覚まし、諸罪を消滅させる、まさに大日如来の悟りの境地に入る」・・・となります。 貝の形はなんとなく梵字のバンのようにも見えますね。法儀的には金剛界のバンの字=法身説法を表します。 法螺には、螺緒かいのおというひもが付いています。螺緒は、血脈や如来とのつながりを現します。また螺緒の各所の寸法は、五智、四州、十八界、七十五法などに因み、5寸、4寸、尺8寸、7尺5寸という寸法になっています。 法螺は吹き方や回数に決まりがあり、合図として 実用的に用いられます。法要の開始の合図から、説法・駈相(六波羅蜜)・宿入・宿立・案内(八正道)・問答・集合・寒行などの他、結界や勧請、葬送用などあります。
役小角が葛城山で修行中、魔王が邪魔をしました。役小角は孔雀明王に祈りました。すると法螺の口から諸天が現れ光明を放ち、その光明によって魔王は退散しました。 |
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