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■眷属は従者、親族、同属、一族、配下を意味します。 ■三尊仏を除き、仏様や菩薩の脇侍など、従属する仏様や神様を眷属と呼びます。 |
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眷属はサンスクリット語のパリヴァーラの訳で、随行者とか従者を意味します。元来は家族や召使などを指していましたが、仏教では特定の仏様や菩薩に、一族のように従う使者を指します。 古代のインドには、一族やたくさんの召使を養うような、豊かな暮らしを理想とする考え方があったので、仏様の世界にもそれが影響したようです。
出家以前から身近にいた人や、悟りを開く時に助けとなった人達は、内眷属と呼ばれています。お妃や出家以前のお釈迦様に仕えていた女性、お釈迦様の父親(王)の命令で、護衛を兼ねて出家に同行した5人の修行者などです。 舎利弗しゃりほつ目連もくれん摩訶迦葉まかかしょうなどのような、おなじみの聖人や、弥勒菩薩、文殊菩薩のような、いずれはお釈迦様に代わって人々を導くような修行者は、大眷属と呼ばれています。 また、弟子たちを内眷属=出家の眷属、お釈迦様の親族を外眷属げけんぞく=在家の眷属、と呼ぶこともあります。 そして、お釈迦様の教えを受けるものは、誰でも仏の眷属、という考え方もあります。
たくさんの仏様が登場するようになると、現実世界に近い考え方から発展し、ある仏様を中心とした親族のような一団が出来上がり、眷属となりました。 薬師如来の十二神将、お不動様の八大童子、千手観音の二十八部衆などです。 また、眷属ひとりひとりに眷属がいる場合もあります。十二神将にはそれぞれ7,000の眷属が、二十八部衆にはそれぞれ500の眷属がいる、とされています。
胎蔵界曼荼羅たいぞうかいまんだらは、中央の大日如来の周囲に、さまざまな働きをする405尊の仏様が、それぞれの属性にしたがって配置されています。 各仏様は、大日如来から加持の力を受けて人々を救いますので、周りに描かれている仏様は、大日如来の眷属という考え方があります。 第一重の上方にある遍智院へんちいん右(北)にある蓮華部院、左(南)の金剛手院こんごうしゅいんは内眷属、
眷属の考え方は、神道にも取り入れられました。主要な神様に従属する神様や使者は、眷属神けんぞくしんとか神使しんしと呼ばれます。 お稲荷さんの狐、日吉大社の猿、春日大社の鹿、熊野三社の烏、出雲大社の鶺鴒せきれいなど、神様と特別な関係にある動物は、神様の眷属です。 |
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