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■インドの装身具。 ■珠玉や貴金属を糸で編んだ装身具。 ■もともとは宝石などを吊り下げた首飾り。 |
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仏様の装身具や、本堂の天井などから下がっている、きらびやかな装飾品を瓔珞ようらくといいます。 瓔珞は通常、サンスクリット語のムクターハーラの訳と言われます。ムクターハーラは直訳すると「真珠の首飾り」で、首や胸にかける装身具が瓔珞の基本です。 瓔珞に相当する言葉は他にもあります。ハーラ、ケーユーラ、マーラーなどです。ハーラやケーユーラは腕環の意味で、マーラーは花環、花冠の意味です。ケーユーラは吉由羅きゆら、木只由羅などと表記されます。 瓔珞は宝石や貴金属を編んで作った物なので、糸偏の纓珞という表記もあります。纓はかざりひも、瓔は首飾りのことで、珞は「まとう」という意味から身にある物をいいます。
お経には、咽瓔珞、手瓔珞、臂瓔珞、脚瓔珞と詳細に名前が挙げられています。臂ひは二の腕のことです。ネックレスからアンクレットまで、身に着ける装飾品はすべて瓔珞の範ちゅうとなります。 インドでは上流階級の人々は、男女ともに宝石などをちりばめた装飾品を身に着けました。時代によっては、男性のほうが女性よりも積極的に身に着けていました。宝飾品を身に着けることは、力の証でもあったのです。
瓔珞は仏様の身体を飾るだけではなく、仏様の智恵や陀羅尼などの功徳によって、荘厳になることを表します。 また、浄土や倶盧洲くるしゅうなどでは、樹上に瓔珞が垂れている、と言われます。そこで、本堂内の荘厳のため、仏具にも瓔珞が用いられます。
瓔珞はふつう宝石や花など、きらびやかな物ですが、インドの密教系の仏像の中には、ドクロなどを瓔珞とするものがあります。 大黒天、閻魔天、荼枳尼天だきにてん、大威徳明王、深沙大将じんしゃだいしょうなどです。いずれも仏教に取り入れられて、守護神となった神様です。その経緯を特徴的に表現するため、特異な瓔珞になっています。 |
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