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■山伏の間で代々伝えられてきた各種の祈祷法。 ■火生三昧法、剣渡法、不動金縛法、祈雨法、飛行法、隠形術法、湯立神楽。 ■火渡り、刃渡り、の名前なら耳にしたことがあると思います。 |
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火渡りは、修験道に伝わる色々な祈祷法のなかで、特によく知られているものです。修験道の影響を受け、一部の神道でも、似たような御祈祷が行われています。 通常、採燈護摩さいとうごまの残り火などを使用して行われます。まだ火が少し残っている時に、お経を唱えながら、裸足で燠おきの上を歩いて渡ります。
採燈護摩 、柴燈護摩、どちらも「さいとうごま」と読みます。屋外で丸太を井桁に組んで行う御護摩です。修験道にはいくつかの派があり、本山派は採燈護摩、当山派は柴燈護摩と表記します。そして文字の由来も二説あります。 本山派(天台系)の説 本山派は、天の二十八宿の修行をするので、天火を採るから採燈護摩。当山派は、地の三十六禽の修行をするので、柴をとって火を焚くから柴燈護摩。 当山派(真言系)の説 当山派は七月に大峯山に入り柴燈護摩を焚き、その松明を残しておく。本山派は八月に大峯山に入って、これを採って護摩を焚くので採燈護摩。
火渡りは、正式には火生三昧耶法かしょうさんまやほうといいます。火生三昧かしょうざんまいは心を静めて一つの事に集中し、身体から智慧の火を生じるような状態をいいます。密教では、お不動様と一体となった状態をいいます。智慧の火によって煩悩ぼんのうを焼き尽くすことを象徴します。 三昧耶は「さまや」とも読みます。平等、障りを除く、と言うような意味です。
修験者など、先達がまず印を結んで自分自身を清めます。その後、ご真言などを唱え、いくつかの段階を経て、お不動様と一体となった事を観じます。 いくつかの段階には、水天や八大竜王など水に縁のある神様に祈る部分もありますが、最終的には「火をもって火を制す」のように、自分が火となり、火を支配し得る存在となってから火渡りが行われます。そして先達に続いて一般の信者も火渡りを行います。一般信者は、ご真言程度のみ唱えながら渡ります。 火の上を歩くことによって、大智の火焔で煩悩を焼き尽くし、公には国家安穏、五穀豊穣などの祈願。個人的には自分自身の修行や、厄祓い、無病息災を祈願します。 |
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