お護摩は火天と呼ばれる、火を司る神様を案内役として、ご本尊をはじめ、色々な仏様や神様を護摩壇上に招いて祈願します。招く人数(組)により、一段から九段までに分類されます。通常行われるお護摩は六段くらいまでが多いようです。作法は、宗派や流派によって、かなり異なります。
お護摩は一般的に次の四種類に分けられます。
息災そくさい災いを止め平安を求める祈り。災厄消除など。
増益ぞうやく福徳や利益を増す祈り。商売繁昌など。
降伏ごうぶく悪行を押さえ障害や魔障を除く祈り。今はあまり行われない。
敬愛けいあい和合、親睦、平和を求める祈り。良縁成就など。
敬愛を増益に含めて三種類。逆に鉤召こうちょうorこうしょうを立てて五種類、さらに増益から延命を独立させて六種類とする場合もあります。鉤召は招き寄せる祈り。
お護摩はその目的に応じて、炉の形、お供物などの色、焚く木の種類、行う日時、方向、ご真言などが異なります。いつ行うのが効果的か、という点で十二支や易など陰陽道の考え方も入っています。
目的 |
炉の形 |
色 |
焚く木 |
時間 |
方向 |
息災 |
円形 |
白 |
甘木 |
初夜 |
北 |
増益 |
方形 |
黄 |
果木 |
日の出 |
東 |
降伏 |
三角形 |
黒or赤 |
苦木 |
日中or夜半 |
南 |
敬愛 |
八角蓮華 |
紫檀or赤 |
花木 |
後夜 |
西 |
お護摩には、内護摩ないごまと外護摩げごまがあります。
内護摩は理護摩りごまとも呼び、心の中で行う観想的なお護摩です。仏様の智火で煩悩を焼きます。
外護摩は事護摩じごまとも呼び、護摩壇を用意し実際に火を燃やして行うお護摩です。
普通、お護摩と言うときは外護摩をさします。
また、屋内で行うものを内護摩とか壇護摩、屋外で行うものを外護摩とか庭壇護摩と呼ぶこともあります。
修験道には柱源護摩はしらもとごま採燈護摩さいとうごま五種護摩の三種類があります。
柱源護摩は屋内外を問わず行われ、通常のお護摩に独特な観方がプラスされたお護摩です。壇の作り方や道具など、外見にも特徴があります。
採燈護摩も修験独特のお護摩で、野外で丸太を井桁に組んで行われます。庭壇護摩とも呼ばれます。本山系天台系修験では採燈と書き、当山系真言系修験では柴燈と書きます。
五種護摩は通常のお護摩です。前掲の息災など一般的な四種類に鉤召を加えた五種類です。 |